優良企業の探し方でROEの値を参考にする方もいるでしょう。
今回はそのROEの推移を見ることで優良企業かどうかを判別する方法を教えます。
目次
概要:ROEとは
ROE(Return On Equity)は「自己資本利益率」という意味で、企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合を意味します。
つまり、「会社が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているか」ということになるので、経営効率を示す指標になり、ROEが高いと効率的な経営をしていることになります。
計算式は以下の形です。
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
ROEの推移をチェック
利益を上げていると利益余剰金として会社の自己資本が増えます。
このため、来年度のROEを計算する際は前年度よりも分母が大きくなります。
例えば、自己資本が100億円、当期純利益が10億円だとすると、このときのROEは10%になります。
次に、この当期純利益がそのまま利益剰余金として自己資本に入ったとします。
そうすると、来年度のROEを計算する際は、自己資本が110億円となり、分母が大きくなります。
これで来年度の当期純利益が10億円の場合、ROEは10/110=9%と低下します。
このように、来年度の当期純利益が同じ値だった場合、分母だけが大きくなることになるのでROEは低下します。
そのため、ROEが来年度も同じ値になるためには、分子も同じだけの増加量になっている必要があります。この増加量は「来年度の自己資本/今年度の自己資本」の割合になります。
もし来年度がROEが上昇している場合は、この増加量以上の成長を遂げるということを示します。
つまり、利益が出ているのにROEが一定もしくは大きくなっている企業は、経営効率を落とさず(もしくは上がりながら)利益をだすことができているということになります。
何かしらのラッキーでROEが前年よりも伸びることはありますが、数年単位で利益を出しながらROEが一定もしくは大きくなっているということは、企業の成長力の強さを表していることになります。
ROEが堅調な理由を深堀りしましょう
これができるということは、何かしらの理由があると考えるのが妥当です。
例えば、
・市場が伸びてきている
・ライバル企業よりも優位でシェアを伸ばせている
・参入障壁が高くてライバル企業が参入しにくい
などが理由として考えられます。
こういう理由について深堀りしながら、より優良企業を探すといいでしょう。
さらにROEからの企業分析について詳しく知りたい方は「機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法」を読んでみるといいでしょう。
企業の具体例とその後の株価を表示されているので参考になります。
それではまた。
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